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元・香料メーカーの研究職が解説!香料の仕事とは?調香師に資格は必要?

【元・香料研究職が教える】香料・香りってどんな仕事?調香師に資格は必要?
読者
香りの仕事に興味があるけど、どんな仕事なんだろう?
読者
香料の開発ってオシャレそうだけど実際はどうなんだろう?

そんな疑問に元・香料の研究者がお答えします。

結論

香料に携わる仕事は基礎研究・開発・応用研究など様々。
そして、華やかな印象を持つ香料開発は、やってみると意外に地味!

香料とは?大きくフレーバーとフレグランスに分かれます

そもそも香料とは何かご存知ですか?

香料とは?

主に営利目的で製造販売される香気を持った有機化学物質またはそれらの集合体を表します。
香料には大きく分けてフレーバーフレグランスの二種類があります。

読者
フレーバーとフレグランスって何が違うの?
管理人
ざっくり言うと、口に入るものは”フレーバー”、それ以外は”フレグランス”と考えてOKです。

フレーバーは、食品に付与することを目的とした香料を指します。
お菓子・ジュースはイメージしやすいですが、歯磨き粉・タバコに用いる香料もフレーバーとなります。

どちらも、口に入るからです。

一方、フレグランスはシャンプー・香水のような香粧品に対して付与する香料を指します。

これらを口に入れることは無いですよね?

管理人
因みに私は、フレーバーの研究開発を行っていました! GC(ガスクロマトグラフ)、GC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析計)といった装置を用いて香りの分析をしていました。

注意ポイント

香料会社は大手企業はもちろん、中小企業も多いです。
中小企業だからといってバカにはできず、その企業ならではの香料というものもあります。

また、注意したいのは企業によっては”フレーバーのみ”、”フレグランスのみ”しか扱わないところも多いです。

特に、日本国内の香料の売り上げは「フレーバー:フレグランス=9:1」と、圧倒的にフレーバーの方が比率が高いことで知られています。

海外では、香りを纏う文化があるのでフレグランスの比率はもう少し高いのですが、日本ではガンガンに香水をキメるなんてことは無いので、どうしても売り上げは低くなります。

もし、香料業界に就職・転職を考えているのであれば、「フレーバーかフレグランス」いずれに興味があるか明確にしておきましょう!

皆さんが普段口にする”飲み物”や”食品”。

また、日々の暮らしに欠かせない、シャンプーや香水、柔軟剤。

これらの製品表示ラベルの原材料欄に”香料”と書かれていることは多いと思います。

この香料を製造販売するのが香料メーカーの仕事で、人に”おいしさ”や”安らぎ”などを提供するのが香料の役目です。

どんな人が香料の仕事に就けますか?

新卒で就職する場合は、香りに関する知識が無くても入社することが可能です。

一方、転職の場合は、未経験で調香師になることは難しいでしょう。

管理人
基礎研究などであれば、ポストが空いていれば募集がかけられることもあります。
調香師は研究開発といえど、”職人”のような側面があり、ある程度の経験(フレーバ開発:5年以上の経験など)は求められます。

新卒の就職活動でも、官能試験(評価)が課されることが多いです。

香りを言語化する能力が問われることはもちろんですが、主たる目的は”嗅盲や嗅覚障害”がないかどうか調べることです。

嗅盲は特定の物質の匂いがわからない先天的な異常を指します。

嗅覚障害は、嗅覚の減退や欠如、過敏などの状態を指します。

調香であろうが、基礎研究であろうが、鼻を使う機会が多くあります。

そのため、嗅覚に異常がある場合は残念ながら香りの仕事に就くことは難しいです。

管理人
しかし、嗅覚に異常が無ければ、官能試験そのものはそこまで難しいものではないので、過度に恐れる必要はありませんよ。

花粉症でも香りの仕事にはつける?

調香師にも花粉症の人は多いですし、私も花粉症(通年性)です。

前の会社では3割程度は花粉症だったような気がします。

薬を飲んで収まるのであれば、花粉症でも調香の仕事は可能です。

しかし、頻繁に鼻水が止まらないなどの現象が起こるのであれば、香りの仕事は避けた方が無難でしょう。

花粉症に関わる記事がいくつかあるので、興味があれば読んでみてください。

>>【コスパ最強!】花粉症なら鼻うがい!ハナノアとサーレsの併用が〇
>>【格安】一人暮らし・独身におすすめの衣類乾燥機 「MyWave warm dryer3.0」梅雨・冬・花粉症対策に最適!【感想】

具体的な仕事内容は?

職種によっても大きく変わります。

以下、解説します。

営業

営業は、説明するまでもないかもしれませんが、顧客に香料の提案を行います。

既存品の改良案件も思いのほか多く、顧客が抱える課題や今後の目標などをヒアリングします。

調香師に顧客が要望する香料のサンプルを開発してもらい、提案します。

調香師が同行し、商品説明をすることも多いです。

調香

調香は研究開発職の中では、最も人員も多く、権力も強いことが多いです(笑)

天然香料と合成香料を、それぞれ組み合わせて目的の香りを調合します。

天然香料は天然物から有機溶剤などに浸出して香気成分を抽出したもので、合成香料は有機合成で化学的に合成した単一の有機化合物を指すことが多いです(ex. エチルアセテート)。

液体香料を扱う部署もあれば、シーズニング(調味料)のように”ポテトチップスにかかっているような粉末”を調合する部署もあります。

どのような組織になっているかは会社次第です。

基礎研究

基礎研究では天然物から新規の香気成分を発見したり、新しい香気成分の分析技術の開発などを行うことが多いです。

いまだにわかっていない香気成分というものは多いです。

しかし、不明香気成分は本当に超微量で匂いがするものが多く、通常の機器分析ではわからないことも多いです・・・。

それに対してどのようなアプローチをとって解決するかが、研究者の腕の見せ所かもしれません。

また、有機合成の知識があると重宝されることが多いです。

管理人
これまでは、有機化学的なアプローチが多かったですが、今後はITやナノテクノロジーなどの分野も関わってくるのではないかと個人的には考えています。

応用研究

香料は使う用途によって、香りの広がり方が変化し、受ける印象も大きく変わることがあります。

そのため、試作する必要があり、調香師が作成した香料を実際の食べ物に賦香(ふこう)して、その効果を検証する部署が存在します。

管理人
研修でアイスや飴などに香料を賦香する体験をしましたが、家庭科の調理実習みたいで楽しかったですね(笑)

調香経験が無くても、こちらはそこまで専門的な知識が求められるわけでは無いので、未経験での採用も行われることが多い印象があります。

香料を提供する際に顧客に求められていること

最近はエビデンス(根拠)を求められることがかなり増えています。

一昔前は、営業がヒアリングし、調香師に依頼し、調香師は長年の”経験と勘”で香料を配合し、それを提出するということが多かったようです。

近年は、そこまで大きい案件ではなくても「なぜ”この有機化合物”を添加したか、その根拠となるデータは何か?」などが問われる機会が増えています。

それは顧客が稟議用にプレゼンする必要があるからです。

そのため、香料を提供する際には、一定レベルのプレゼン能力も必要になります。

また、香りは人によって受ける印象が変わります。
共通認識を持つことが難しい香りですが、相手が納得できる的確な表現を用いて特徴を伝える能力も非常に重要です。

調香師に資格はいる?

調香師に国家資格や公的な資格はありません。

ゆえに誰でもなることができますが、有機化合物を扱うので普段独学で学ぶことは非常に難しいです。

臭気判定士(国家資格)や日本調香技術師検定のような資格はあるので、未経験である場合はこれらの資格を得て、香りに強い興味があることを示すことは可能です。

調香師の未経験採用は少ないですが、全くないわけではありません。
しかし、その場合は未経験ゆえに現在より年収が下がる可能性は高いです。

まずは、未経験採用してもらい、修行を積み、再び転職するといってキャリアを築くのが良いでしょう。

やりがいは?

やはり香りを通じて、多くの人に”おいしさ”や”安らぎの”ような喜びを提供できることでしょうかね?

自分が関わった香料が、全国単位で売られる商品に利用されるのは、やはり嬉しいものです。

管理人
あるアイスの香料の開発に携わり、採用してもらえたときは凄く嬉しかったです。
きっとあなたも一度は口にしたことがあるはず!

辛いことは?

あなたが想像する以上に地味な仕事です(笑)

調香師って聞くと、華やかな印象を受けますよね?

しかし、実際は
「電子天秤の上に瓶を置いて、そこに原材料をスポイトやガラス棒を使って添加し、よく混ぜて、水に加えて評価する・・・それをひたすら繰り返す」

その光景はさながら「ねるねるねーるね」を作っているかのよう(笑)

読者
・・・なんか、もっとこう・・・エレガントなものだと思ってました。

あと匂いが衣服や髪につきます。

中にはとんでもなく臭い匂いのものもあります。

ドラフトという”匂いを外に廃棄する”機械がありますが、その作業スペースで調香をしても匂いがあたり一面に広がることもザラにあります。

私は入社して間もない頃、ドラフト外で”たった200mgも入ってない小瓶”を開けて、部屋全体に”超臭い雑巾臭”が漂ったことがあります。

管理人
地獄でしたね・・・

基礎研究についても、分析方法はある程度パターン化されているので、単調作業になるかもしれません。

しかし、新しい分析方法の開発となるとまたそれも大変です。

例え思い浮かんでも、予算が通らないなど別の側面で苦労することもあるかもしれません。

香料の大手企業は?

まずは国内の大手香料企業を見てみましょう。

国内の香料大手企業

おさえておくべきは次の4つの企業です。

  • 高砂香料株式会社
  • 長谷川香料株式会社
  • 小川香料株式会社
  • 曽田香料株式会社

この4社はぜひ一度HPで確認してほしいです。

特に高砂香料株式会社は売上国内首位で、1983年に工業化に成功した l -メントールの不斉合成技術も有名です。
社外取締役の野依良治氏は、この功績により、2001年にノーベル賞を受賞しています。

長谷川香料株式会社は売上国内2位で、独自の技術力の高さが評価されており、影響力を年々強めています。
近年ではワサビやマンゴーから新規成分を発見しており、よりリアル感のある多彩な香料を提供しています。

外資系企業の香料会社

転職を視野に入れている人、キャリアアップをしたい人は外資系企業を狙ってみるのも良いと思います。

内資系企業より年収も高いことが多く、よりレベルの高い環境で技術を磨くことができるかもしれません。

  • ジボダン 
  • IFF 
  • フィルメニッヒ 
  • Symrise 

上記4社は、世界でもトップレベルの企業になります。

高砂香料といえど、売上高はこれらの企業に及びません。

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この記事が、香料に興味があるあなたのお役にたったら幸いです。

管理人
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